小規模な店鋪の経営者・経費担当の皆さん、利益をあげるためにネットを調べたり誰かにアドバイスをもらったりしたとき、こう言われたことはありませんか。
「クレジットカード決済を導入すると、客単価が増えるよ」と。
しかし従来現金決済のみ扱っていた店鋪がクレジットカード決済を導入する際は、手数料を考えると抵抗が大きいのが現状。そこでクレジットカード決済を導入するメリット・デメリットを紹介します。
クレジットカード決済を導入するメリット
2016年のJCBによる調査によると、飲食店での支払いにクレジットカードを利用する割合はなんと20%以下です。これは、クレジットカードの個人の普及率は上がっているものの、店鋪の普及率はなかなか上昇していないのが理由。
しかしクレジットカード決済を導入すると実は多くのメリットがあります。
- 顧客単価が上がる
- レジ強盗がきても安心
- 来店数が増える
- 団体客が増える
- 外国人の顧客が増える
顧客単価が上がる
特に小売店やECサイトで起きることですが、クレジットカード決済を導入した途端に売上が上がったという店鋪は少なくありません。
クレジットカードで支払うとき、顧客は自然と余計なものや予定より高価なものにまで手を出してしまう傾向があります。たとえばランチに行ったとき、現金だったら1000円以内に収めようという意識が強く働くのに、クレカ払いだとついつい1200円のメニューにしてしまうような人は多いのではないでしょうか。
クレジットカード決済を導入することで、顧客単価が上がることは疑いようがありません。
現金が少ないからレジ強盗がきても安心
クレジットカード決済を導入すると現金のやり取りが減るため、もしも強盗などに店鋪を襲われても収益が盗まれる心配はありません。
レジの管理の手間や人件費も減らすことができます。
カード会社のロゴを貼ることで顧客数が増加
店鋪の入り口やレジに貼ってあるクレジットカード会社のロゴのシール、あれはそのカードが使える店鋪だけが貼ることができるシール。あのシールが貼ってあるだけで「クレカ使えるんだ!」と来店数が増えます。
最近では電子マネーとクレジットカードでしか買い物をせず、明細をもとに家計を管理している人もいます。カード決済ができるかできないかは、飲食店だけでなく単価が高額なサロンなどでもお店選びにおいてかなり重要な指標です。
団体客が増える
これは飲食店にしか関係のないことですが、会社の送別会など団体の支払いはクレジットカード決済が非常に多いです。会社の法人カードを利用していたり、幹事が高額な会計でポイントをもらおうとしたりしているのが理由。
クレジットカード決済を導入していないと、こうした高額な利益が得られる団体客を引き寄せるのが難しいです。
都心・観光地では特に外国人の顧客が増える
東京オリンピックが近いということもあり、近年日本には多くの外国人観光客が来日しています。外国人は基本的にクレジットカードで支払いができるお店の中から行き先を選ぶので、決済ができるだけで評価が上がること間違い無し。
特に日本の文化と深く関わってるお店は、決済方法を増やせば増やすほど顧客数が増える見込みがあります。和菓子屋さん、着付け教室・お茶の教室などは積極的に導入するのがおすすめです。
デメリットは主に手数料と入金サイクルの乱れ
メリットが多いクレジットカード決済ですが、デメリットとしてよく挙げられるのは、やはり決済手数料。金額は店鋪の規模や売上高によって異なりますが、だいたい2%~5%が平均値です。
顧客単価が安いお店だと、この手数料5%はかなりの痛手になります。5,000円の売上が4,500円の売上になってしまうわけです。
しかし手数料はさまざまな方法で節約することができます。手数料を安くする方法については、以下の記事で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
不正利用の恐れがある
もう一つ大きなデメリットは、不正利用のリスクが生じることです。ネットショップでは特に問題になっています。
店鋪での支払いでも、取扱には慎重にならなければなりません。カードの裏面に署名がない場合はその場で記入してもらう必要があるなど、不正利用を防ぐための手間は地味に多く会計の回転率が悪くなる場合もあります。
入金までに時間がかかる
現金払いだと売上がすぐ手元に現金で残りますが、クレジットカード払いだと実際に入金されるのは1ヶ月後という場合もあります。小さなお店だとこのサイクルでは資金繰りが難しく、自転車操業のようになってしまうケースも以前は多くありました。
入金サイクルをなるべく早くしたいなら、カード会社や決済代行会社との契約よりもモバイル決済の導入がおすすめです。たとえばSquareなら、最短翌営業日に売上が入金されます。
決済方法の増やして顧客が増えるケースは実際多い
クレジットカード決済の導入にはデメリットもいくつかありますが、顧客単価や顧客数を増やしたいなら最も手間がかからない近道だといえます。
メリット・デメリットどちらもよく理解したうえで、導入を検討してみてください。