クレジットカードは、手元に現金がなくても買い物ができる非常に便利なものです。高価なものでもカード1枚で購入ができますが、各クレジットカードには限度額が設定されています。
旅行代金や高価な家具を購入しようとしたら、この制限に掛かってしまい困ったという経験もあるのではないしょうか。増枠の申請をしても、審査に落ちてしまうという方も多いようです。
今回は、年収とクレジットカード限度額の関係から、増枠申請のコツまでご紹介します。
クレジットカード限度額とは
そもそも、クレジットカードの限度額とはどのようなものでしょうか。一般的にクレジットカードの限度額とは「ひと月に使用可能な支払金額の総額」です。上限いっぱいになっても、翌月にはリセットされるので普段この存在を意識しない方も多いですが、旅行などでまとまった金額の支払いが必要な際には注意が必要ですね。
これは基本的に全てのクレジットカードに存在しています。皆さんも入会時に設定したはずです。この限度額設定の際の上限は、利用者の状況に沿って個別に設定されます。
審査基準と年収の関係
クレジットカードの限度額は、割賦販売法に基づいて「支払い可能見込み額」として定められています。
それを求める数式がこちら。
「支払い可能見込み額=年収-法律で決定されている生活維持費-年間請求予定額」
「法律で決定されている生活維持費」とは、食費や光熱費等の一般的な年間生活費を表しています。これは世帯人数や賃貸契約の有無などにより定められています。「年間請求予定額」とは、クレジットカードで一年間に利用が予想される金額です。この数式により、各利用者の支払い能力が概算されていて、クレジットカード限度額が設定されるのです。
限度額設定における年収の重要性
支払い可能見込み額の数式を見ればわかるように、年収という要素が非常に重要になっています。例えば、年収200万円の人が月の限度額を150万円にしても支払えるはずもありませんよね。
年収を上昇できれば自ずと上限金額も上がりますが現実的ではありませんね。ご自身の年収で余裕を持って支払いが可能な、バランスの取れた金額を設定することをおすすめします。
適切な限度額の算出方法
それでは、自分に合った限度額はどのように算出すればいいのでしょうか。これは個人の利用状況によって大分差がありますが、一般的には以下のクレジットカード利用費用+5~10万円くらいが適切とされています。
・固定費(公共料金や携帯電話代など)
・普段の買い物金額
・季節的な買い物(お中元や年末の帰省交通代など)
例えば、クレジットカードで支払う光熱費や通信費などの固定費が月1万5千円で、普段ネットショッピングなどで5万円の買い物をする方の場合、それだけだと6万5千円程で十分ということになります。ただ、年末の帰省などで一時的に利用額が上がる場合はそちらの金額も考慮する必要があります。
年末の度に増枠の申請をしてまた元に戻して、という手続きをする人はいませんよね。ここで3万5千円程使うとしたら、月のクレジットカード利用代は10万円ほどになります。更に急な出費に備えて5~10万円の余裕を持たせて、15~20万円ほどが適切と言えます。
これくらいの上限であれば、ほとんどのクレジットカードで設定することができます。反対に、これ以上の金額にするには、年収やそれ以外の要因が絡んできてしまうので、審査に落ちてしまうこともあります。
増枠審査に通過するポイント
基本的に、ご自身の年収を考慮して、余裕を持って支払い可能な金額であれば審査に落ちることはあまりないでしょう。ただ、ボーナスが入る夏にクレジットカードを使って一気に高価な買い物をしたい、等の理由で特定月の出費がいびつに大きくなってしまうという方もいらっしゃるでしょう。
そのような方に向けて、増枠審査に通過する際のポイントをご紹介します。
1枚のクレジットカードを長期的に利用し続ける
複数のカードを利用するのではなく、増枠したいカード1枚を集中的に利用することをおすすめします。普段、ほとんど利用していないとクレジットカード会社は増設する意味がないと判断し審査に落ちやすくなってしまいます。
反対に、毎月ある程度の支払いがあると、優良顧客と判断され、クレジットカード会社の方から増設を提案してくることもあります。
滞納・遅滞をしない
当たり前ですが、滞納や遅滞をしたことがある場合、審査に大きく影響してしまいますので計画的な利用を心掛けましょう。
勤続年数を長くする
頻繁に転職を繰り返すと、安定した年収をアピールすることができません。1つの企業に長く勤め続けることで社会的信用を得ることができるのです。
クレジットカード限度額のまとめ
クレジットカードの限度額について、年収や利用額の点から説明してきました。クレジットカードの限度額は、皆さんが余裕を持って支払うことができるように設定されています。
増枠をする際にも、ご自身の現在の出費を分析して、バランスの取れた金額にしましょう。